カメラの考え方

写真の考え方

いろいろ写真は覚えることが多い。なんだか「絞り」「ISO感度」「シャッタースピード」という3つを覚えれば、もう大体写真の仕組みがわかります。

水彩画を思い浮かべてもらうと、絵を書く仕組みはシンプルだと思います。

「絵の具」を「筆」でとって「紙」の上にそっと「載せていく」ものが水彩画です。

これを思い浮かべながら、これをひとつずつ置き換えていけば、写真は何をやっているのかわかると思います。

絵の具=光

絵の具の量が大きい=明るい・暗い

水彩画を描くときに、必要になるのは絵の具です。明るいというのは、パレットにたくさん絵の具があるようなものです。暗いということは、そもそもパレットの

パレットに乗っている絵の具のバランス=色温度

ここで重要なのは、光が絵の具ということは、光の種類によって描きやすい色調があるということです。

全部の基本になるのは昼間の日光です。パレットにバランスよく絵の具が出されているような色彩になります。色は赤橙黄緑青藍紫をバランスよく混ぜると良いと言われております。大体絵の具セットもこれに準じたものになっています。

そして夕方や日陰の色は、赤みが強い色になります。パレットに紫色や青色がほとんどなく、オレンジや赤の絵の具がたっぷり用意されているようなパレットを持たされている状態と考えてください。この状態を色温度が高い状態といいます。

夜の蛍光灯や強烈な朝日などは、逆にパレットにはオレンジや赤がなく、青や紫に近い色が乗っている状態と考えてください。色温度が低い状態になります。

この絵具の偏り=光の色温度により、実際に目で見た感じの色と、カメラで撮られる写真の色には差ができてしまいます。

このパレットのバランスを、いい感じに調整するのが、色温度の補正なのです。

筆=絞り

筆は、カメラレンズの「絞り」を表します。これは実際にレンズをちょっと調べるとわかるのですけれども、カメラ用のレンズには中に羽根のようなものがはいっており、光を通す量を変化させることができます。

f値と呼ばれるものです。まあf値が1.0とかだと光がたくさん通って、f値が22とかだと光がほとんど通過しません。

f値が小さい時、太いハケのような筆

ハケですので、絵の具はたっぷり含まれていますので、さっと短い時間で書き上げることができます。逆に長い時間ハケをおいておきますと、絵の具がぼってり乗りすぎて、絵としては見づらいものになってしまいます。

そして、いい感じに荒いタッチでかけますので、適当に書いたところは、いい感じにカスレます。これが写真のボケになります。簡単に写真をぼかしたいときは、f値を小さくする=太い筆を使うということが、一つの方法です。

f値が大きいときは面相筆のような細い筆

細い筆を使うと、書くのには時間はかかりますが、細かなところまで精密に描写できます。

これは写真でいうと、隅々までピントが合った絵画のような写真が仕上がります。

筆を走らせる速さ=シャッタースピード

これは絵の具の多さと、筆の太さとの兼ね合いになります。絵の具が紙の上にぼってりと乗りすぎてもいけないし、絵の具が全然足りていなければ何が書いてあるかわかりません。

筆の状態を逆算して、サササッと書く場合と、しっかりと書く場合とで分かれると思います。

光が乗りすぎると、明るくなりすぎて真っ白な「白飛び」した写真になります。逆に光が全く乗らないと黒くなり「黒つぶれ」した写真になります。

以下に、どのようなときにどんどん筆の速さを変えていくのか条件を考えていきましょう。

①明るい=絵の具が潤沢にある。なおかつf値が小さい=筆が太い。

晴れた日にボケの強い写真を撮りたいということです。

この条件のときはシャッタースピードをかなり短い時間にしても大丈夫です。シャッタースピードを「早くする」とも言います。2000分の1秒などの速さになることもあります。逆に言うと絵の具ぼってりのハケをゆっくり動かしていては、絵の具が載りすぎてしまうので駄目です。サササッと早く書き上げることが必要になります。

②暗くて、f値が小さい

やや日陰や室内、夜で小さな照明を使ってのシチュエーションで、ボケの大きい写真を撮りたいということになるでしょうか。

この場合は絵の具は少ないですが、太い筆のために含ませられる絵の具の量がそこそこあるというイメージになります。①よりは長いシャッタースピードにしなければなりません。

1/1000秒から1/100まで様々です。

③明るくて、f値が大きい

明るい場所で、風景写真を撮ったり、人物と背景の両方にピントが合った状態にしたいときなどです。

絵でいうと、絵の具は充分あるのですが、筆が細いため一気に細部まで描き上げるには多少時間がかかるような状態です。

1/1000から1/50秒などが多いです。

④暗くて、f値が小さい

夜景を撮ったり、それに準じる写真です。この場合は1秒を超える長いシャッタースピードになります。

星の軌跡を取るような写真は数時間に及ぶような露光時間もあります。

紙の状態=ISO感度

紙の状態も実は絵には大きく影響してきます。

絵の具の載りが非常によくて、少ししか触れたりしていないのに、くっきりと色がついてしまうキャンバス。写真で、こういう状態は「ISO感度が高い」状態と呼びます。

このキャンバスを使えば、少しの絵の具=光で十分描くことができます。写真に置き換えると、暗いところでもよく映るということです。

筆が細いことにあたるf値が大きい状態でも、短い時間で書き上げることができます。つまりシャッタースピードを短くすることもできます。

逆に悪いキャンバスというものもあります。絵の具の載りがあまりよくないキャンバスです。カメラに置き換えると「ISO感度が低い」状態となります。

真夏の日中の明るすぎる場所や、小さい絞りなどに対応することができます。つまり光が強すぎるときにきれいに写すことができます。


Photograph=「写真」?

以上のことを踏まえますと、カメラをマニュアルモードにして「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」をいじってもらえれば、それぞれ「筆の太さ」「描く速度」「キャンバスの質」を変化させながら絵を書くというような体験ができます。

写真というものは、誤訳です。偉大な誤訳ですが、英語のPhotographは「光で描写」というのが語源です。素直に訳すと「光画」というようなニュアンスでしょうか。

真実などはあまり考えなくても良いのかもしれません。「光画」ですから。カメラは最近はすごくいいものになっておりますが、機械任せにしてしまうのももったいないくらいの趣味性のたかいことも出来る機械です。ぜひいじってみてください。